アバウト日本海|06.福井

日本海地域をGRAYSKY的視点で、ざっくりアバウトにお伝えする「アバウト日本海」

6回目は、福井県のご紹介です。



福井県の人口は、767,433人(2021年4月1日現在「都道府県 市区町村」サイト調べ)




越前和紙

1,500年の長い歴史をもつ越前和紙は、楮・三椏・雁皮などの植物の繊維を主原料とし、手漉きを中心に作られています。福井に生まれたら皆一度は、手漉き体験でmy便箋を作ったことがあるはずです。


越前漆器

河和田地区とその周辺地域でつくられる工芸品です。漆を塗り重ねることで生まれる深い色合いが美しく、軽くて丈夫な点も特徴です。また、高級品だけではなく旅館やレストランなど、業務用の漆器としても広く使われています。


めがね

福井・鯖江は、国内生産のメガネフレームの“9割以上のシェア”を誇るめがねの産地です。日本海の冬の豪雪の際に、農業の代わりとなる産業として着目され、一大産業に成長しました。鯖江駅付近には、めがねをモチーフにしたオブジェやペイントが数多く点在しており、めがねの歴史を学べる「めがねミュージアム」もおすすめです。




越前がに

福井県で水揚げされたオスのズワイガニのことを「越前がに」と呼びます。かにや魚にとって生息しやすい地形で新鮮なまま水揚げされ、立派な甲羅と大きな爪の中に、甘みがある身がぎっしりと詰まっているのが特徴です。ちなみにメスは「せいこがに」と呼ばれ、小ぶりなサイズ感でこちらも多くの人に親しまれています。*ズワイガニは産地により様々な名称があり、山陰では「松葉ガニ」、石川県では「加能ガニ」と呼ばれています。


おろしそば

コシのある冷たい蕎麦に、たっぷりの大根おろし・削り節・ねぎをかけた、シンプルながらも栄養たっぷりのそばです。福井で「そば」といえば「おろしそば」を指し、辛み大根のおろし汁が癖になる一品です。


水ようかん

福井では、夏ではなく冬に食べる「水ようかん」。柔らかくて水分が多く、黒糖の代わりに白糖を使用して甘さは控えめなため、ついつい何個も食べてしまうのが特徴です。A4サイズほどの平箱にぎっしりと敷き詰められた水ようかんを、付属の竹ヘラですくって食べるのがお決まりです。




ちはやふる(漫画・アニメ・映画)

福井からやってきた無口でおとなしい転校生の”新(あらた)”をきっかけに、小倉百人一首競技かるたに魅了される主人公"千早"を描いた作品。アニメや映画などの映像化も数多く行われている作品ですが、福井弁の独特なイントネーションがポイントで、特にアニメで新役を演じた声優さんの福井訛りは、再現度が高くて注目です。


天皇の料理番(小説)

越前市で生まれた秋山徳蔵が、昭和天皇の専属料理人になるまでを描いた小説。高等小学校の時、ひょんなことから鯖江連隊の田辺軍曹からカツレツをご馳走になり、その味に魅了された少年。日露戦争以降の東京という激動の時代の中、西洋料理の世界に飛び込んでいく物語です。


チアダン(映画)

2009年に福井商業高校のチアリーダー部が、本場アメリカのチアダンス選手権大会で優勝するという実話を元にしてつくられた映画。キャストのイメージは、実際の卒業生たちをモデルに生み出されたそうです。



今回は、私の生まれ故郷の福井をご紹介しました。

福井というと、「どこにあるっけ・・?」と、出身地を言うたびにちょっぴり寂しい思いをしたことも。


けれども福井を離れてみて、改めて魅力を感じる部分がたくさんありました。

夏は若狭和田浜海岸の遠浅で美しい海、

冬は関西方面からの特急電車に乗ると、長いトンネルを抜けた後に水墨画のように静かな雪景色が広がります。

のんびりした空気で、幸福な県ランキングも上位に入り、福井・鯖江は人口、世帯数ともに増加傾向のようです。


実は北陸新幹線は今現在だと石川県止まりで、2023年にようやく福井にも開通します。

これまではアクセスが地味〜に大変でしたが、この先福井がもっと身近なスポットになると嬉しいです。


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文と絵:荒木美加